マレットゴルフ・クラブ
マレットゴルフ・クラブは大きく分けてヘッド・シャフト・グリップから構成されています。ゴルフのドライバー、アイアンと同じ部品構成ですが、その構造的理論は異なります。「ボールを真っ直ぐ遠くへ転がす!」という目的で開発されています。
マレットゴルフ・ボールは(一財)日本マレットゴルフ協会によりサイズ・重さが定められており、その「重く、硬いボールをいかに遠くへ正確に転がせるクラブを作るか!」がクラブ開発設計思想の根幹です。
弊社では、長野県工業試験場、自社内試験機により、製品の性能向上、耐久性のテストを行っています。
特にマレットゴルフクラブは、スポーツ用具の中でも負荷が非常に大きい部類となるため、フェース部、シャフト・ヘッドの結合部の強度が求められます。
「軽くて飛ぶ!」と言う課題に私ども商品部企画開発課は取り組んでいます。
ヘッドとシャフトのバランスが重要です!
ボールが硬い為、ヘッドのフェース部に硬い素材を使用する事が理論上有効です。また、220gほどのボールを飛ばすにはヘッドスピードに合ったヘッド重量も関係しています。そして、そのヘッドの性能を更に引き出すシャフトが必要となる訳です。
□ヘッド
ヘッド部はアルミ合金からなる本体と、打撃面となるフェース部から構成されています。
本体はアルミ合金製が主流で、フェースには硬度の異なる素材が用いられます。
製法、形状、素材により打感は異なります。
ヘッドボディーは冷間鍛造材で作られたものと、押出材から作られたものの二種類があります。
冷間鍛造材を用いることにより、ヘッド重量配分を中央に集中でき、シャフトの捻れを軽減できる効果があります。その為、フルスイングが求められるロングコースに最適です。
押出材は、言うなればパイプ材です。ヘッド中央ではなくヘッド両端に重量を集中できるため、ヘッド全長の長いヘッドでは安定感をもたらします。方向性が重視されるショートコースには最適だと考えられます。
□フェース
上記で述べたようにフェースが硬ければボールに伝わる力は大きくなり飛距離は伸びますが、マレットゴルフは、ゴルフと同じく、ボールが飛べば良いスコアーが出せるとは限りません。繊細なタッチの要求される場面なのでは反発係数の小さい方が有利な場合もあります。
■ステンレス合金フェース
ステンレス合金フェースは硬度がシリーズ中最も高く、ロングコースでは威力を発揮します。硬度:200HV
■超々ジュラルミンフェース
超々ジュラルミンは7075と呼ばれ、アルミニウム合金の中で最高の強度を誇ります。ロングからショートまで幅広いコースに適しています。硬度:170HV
■シュラルミンフェース
ジュラルミンフェースはボールの硬度ともっと近い金属素材の為、マレットゴルフ・クラブの代表的なフェース素材です。
硬度:145HV
豆知識
チタンと聞くと「飛ぶ!」というイメージを持たれている方も多いと思います。チタンには大きく分けて純チタンと合金チタンがあります。多くのメーカーが使っている純チタン(JIS1種)のもので110HV以下、(JIS2種)で110HV~150HVほどです。
□シャフト
シャフトにはヘッド以上に重要な役割があります。構えてからバックストロークを取り、振り下ろしてインパクトまで、正確にスイング動作をヘッドに反映するという役割があります。
特に重いヘッド、長いシャフトのクラブを使い、ヘッドスピートの速い場合は!より高性能なシャフトが必要となります。即ち、いくら正確なスイングをしてもシャフトの撓みが大きかったり、捻れてしまっては正確にボールを捕らえることはできません。その為、ボールの飛びと、方向性はシャフトで決まると言っても過言ではありません。
自分の背丈に合った長さを選ぶことも重要です!
■ハイパーボロンシャフト
ハイパーボロンシャフトはカーボン繊維にボロン繊維を織り込んだ捻れ、撓みを極限まで圧えるシャフトです。軽量、反発力等、全てに優れた高性能シャフトです。
■グラファイトシャフト
カーボンシャフトはカーボンを幾重にも巻き固めたシャフトです。巻き方、内外径差によりその硬さが決まります。航空機に使用されるほど強度に優れ、また反発力が強いため、ヘッドスピードがなくてもボールを遠くに飛ばすことが可能なシャフトです。
■スチールシャフト
スチールシャフトはその名の通り鉄製のシャフトです。ゴルフのアイアンでは圧倒的にスチールシャフトが使用されています。ボロンシャフト並に捻れ撓みを軽減しますが、重いのが難点です。
■アルミ合金シャフト
アルミ合金シャフトはスチールシャフトと同じく金属製のシャフトです。反発力は劣りますが、重量が軽く、捻れに強いので初心者の方には最適です。
□グリップ
グリップはクラブのパーツの中で唯一人が触れる重要なパーツです。形状、素材等の違いにより、クラブのフィーリングを左右します。マレットゴルフはゴルフとは異なり、基本となる握り方が定義されていません。その為、スイングフォームに合ったものを選ぶことが重要です。
形状には丸型、ピストル型、パター型があり、その太さも素材も多種多様です。
■丸型
グリップの基本形状となる丸型グリップにはゴルフ用のスタンダードなものから直径27ミリほどの太いものまで多種多様です。ヘッド全長が長いクラブには太いグリップが重要です。
■ピストル型グリップ
ピストル型グリップは平面部分があり、ヘッドを打撃方向に正確にセットできます。方向性を重視したグリップですが、クラブが片面のフェースしか使用できなくなるのが難点です。
■パター型グリップ
ピストル型グリップ同様、方向性を重視したグリップです。丸型とピストル型の中間に位置するオールラウンドなグリップです。